教えて!大上先生

令和6年2月に行われた大上勝行先生特別講演で寄せられた「大上先生への質問」に対する回答です。

土穴はものを増やす作用がある。とのことですが、例えば肝経の土穴を補えば血が増える。という理解でいいでしょうか?

概ねそのような考え方でいいのですが、もう少し丁寧に考えた方がいいと思います。なぜなら、システマティックに直接的に覚えていては応用が難しくなるからです。

肝虚証というのは、肝の精気が虚して、そのため血を貯蔵する力が弱くなって血虚となります。陽虚の時は血の陽も陰も虚しますから、肝経の中でもものを増やす力の強い土穴を補います。

このように考えると、他の経穴も同じように理屈づけて使うことができます。

ここでの血というのは血液のような物質そのものを指しますか?血の作用として機能的なものを指すのでしょうか?

東洋医学では、見ることができるできないに関わらず、常に働きとして全てのものをとらえます。ただし、それは固定的なものではなく相対的なものです。たとえば「血」は気という陽に対する陰としての役割を指すこともありますが、単に身体を養う気と同等の役割を指すこともあります。その他いろいろです。