教えて!大上先生

令和6年2月に行われた大上勝行先生特別講演で寄せられた「大上先生への質問」に対する回答です。

五行の配穴で、五味の性質で木は酸味で「収斂作用~」とありますが、陰経では収斂件用は井木穴、陽経では兪木穴が収斂作用がある。というような理解でいいでしょうか?

そうですね。経絡治療学会では、五行穴の性質に五味を当てはめて運用しています。ですから理論上、木穴は酸味で収斂作用があると考えられます。

ここからは僕の考えです。

ただし、陰経は臓、陽経は腑ですから元々の性質からして違います。臓は気血津液を支配するので、その虚実寒熱の状態も複雑です。それに対する働き方として五味の酸苦甘辛鹹といったバリエーションがあるのです。対して、腑は虚実寒熱はあるものの、気やものの虚や停滞が主で臓の働きに左右されているのでシンプルに上肢・下肢の反応点を補瀉することが多いです。

経絡治療のレジェンドの選穴を見てみるとさまざまです。虚に対しても補瀉の配穴があったり、補は陰経で瀉は陰経だけという人もいます。誰が正解という話ではなく、どのような考えで配穴したか、という点で参考になります。それぞれに考え方がありますから、それらの考え方も含めて学び、配穴に対する理解を深めてください。