教えて!大上先生

令和6年2月に行われた大上勝行先生特別講演で寄せられた「大上先生への質問」に対する回答です。

「よくわかる経絡治療講義」の脾虚胃実熱症の症例(P186)で蕁麻疹の方がありますが脈や触診から体表部の実熱があると書かれています。便通は軟。出るとスッキリと言うことで熱が深いところ浅いところにもあると思うのですが、脾虚陽経実熱証と迷ってしまいます。どのように判断すればよいでしょうか?

脾虚胃実熱証はいわゆる陽明腑病で、胃腸に熱が充満したための病証です。また、脾虚陽明経実熱証は陽明経病です。ですから、脾虚胃実熱証は胃腸の熱症状が中心。脾虚陽明経実熱証は表証が中心になります。

胃実熱証の特徴は以下の通り

  • 脈沈大にして実
  • 潮熱
  • 譫語
  • 小腹急結
  • 腹満
  • 大便硬く
  • 舌上黄赤焦黒
  • 小便赤黄

また、この証はある種特殊で元々胃が丈夫な人しかなりません。胃の強さは生まれながらなものがあり遺伝や体質に大きく由来します。元々胃が丈夫な人は胃熱が旺盛です。そこに熱病や飲食などで邪熱が加わったのがこの証です。