教えて!大上先生

令和6年2月に行われた大上勝行先生特別講演で寄せられた「大上先生への質問」に対する回答です。

手技には雀啄も振せん法と色々あると思うのですが、ツボの状態や症状など何を目安に使い分けとかされていますか?

刺鍼は経穴に対して行います。経穴は取穴の教科書のように常に存在するもの手はなく、身体の陰陽虚実寒熱などのバランスが崩れたときに現れます。その経穴を刺激することでバランスが調い身体の不調が治ると考えます。

刺すべき経穴を決めるのは、四診により、経穴の位置、状態を把握し、それに合う手技を選択します。ここでもっとも大切なのは経穴をとらええ逃がさないことです。僕は鍼を効かせるのは刺し手による手技よりも押し手の方が大切だと考えています。そういった理由からあまり特別な手技は使いません。押し手から伝わる微妙な変化が感じ取れなくなるからです。経穴が硬く動かないときなどに、雀啄・振せん法を使います。雀啄は深い部位、振せんは浅い部位に対して行います。